00897/00897 xxxxxxxx 森末 吉彦 【パート】テナーホーン ( 1) 98/09/05 02:43 00767へのコメント こんにちは。 いよいよテナーホーンの番です。 前にどこかで話題になっていましたが、テナーホーンという呼び方のほかにア ルトホルンとか単にホルン(ホーン)という時もあります。 このパティオではどの呼び方を使う人の方が多いのでしょうか。アクティブな 人はテナーホーンが多いようですが。 テナーホーンは金管バンドで与えられている役割とはどんなものがあるかとい うと 1.ホーンセクションの中心となってブリティッシュサウンドを作り出す。 2.プリンシパルコルネット、ソロユーフォニアムに次ぐソロ楽器として活躍 する。(ソロテナーホーン) 3.低音コルネット群・フリューゲルホーンとバリトンとの間の音域をつなぐ。 といったところでしょうか。 テナーホーンの音域はなぜか狭いです。同じサクソルン系の楽器と比べても、 際だって狭いと思います。第2倍音のBbから第9倍音のFまでだと思います。 その上はほとんど出てきません。これだけならバリトンとくらべてそんなに変わ りませんが何が狭く感じさせるかというと、テナーホーンの場合は第5倍音を超 えると急激にきつさが増します。第2倍音もマウスピースが小さいので抵抗感が 増えてきてあんまり吹きやすいとはいえません。つまり楽にふける音域が狭いの です。 #私がユーフォ吹きだから特にそう感じるのでしょうか? しかし、テナーホーンらしさのあらわれてくる音域は第5倍音の系列を含めて そこから上であり、楽譜では第5倍音から第8倍音の間で推移していることが多 いです。 テナーホーン吹きがきつい、ばてると言うのは、吹くのが大変な音域を延々と 使われ、しかも休みが少ないパートであるからかもしれません。しかし、大変な 音域を酷使され、それでもテナーホーンが好きであるのはそのきつい音域のテナ ーホーンの音色がとても魅力的であるからだと思います。あなたのバンドのテナ ーホーン吹きに聞いてみてください。たぶんそうだろうと思います。 #少なくとも私はそうです。 テナーホーンはホーンセクションの中心となってブリティッシュサウンドを生 み出します。テナーホーンは3人配属されるので、その3人で和音を特徴づける 3つの音(根音、第3音、第7音など)を分担してハーモニーを形成します。 バンドのハーモニーが不純な響きを持つ場合、テナーホーンが形成するハーモ ニーが不純であることが多いようです。 ハーモニーを組むことが多いとはいっても、単に吹き伸ばして作るようなハー モニーは(曲想にもよりますが)ほかの形態のハーモニー部隊と比べるとあまり 出てこないようです。かといってマーチにおける吹奏楽のホルンのような裏打ち ハーモニーオンパレードみたいなこともありません。中音域で展開されるメロデ ィーを担当しつつハーモニーを作り、全体のサウンドを支配しようとするものが 多いようです。内声部にこだわった気合いの入った作品というのにはこのような 物が多いようです。 テナーホーン吹きはどうしてもばてやすいので、休みをできるだけたくさん取 れるようにしてあげた方がいいと思いますが、ホーンセクション全体が不要の場 面ぐらいしか休みを取れる場面はないのか、休みは本当に取りにくいようです。 ソロテナーホーンは上にも書いたようにプリンシパルコルネット、ソロユーフ ォニアムに次ぐ重要な地位にあります。ブリティッシュスタイルの編成で、人が 足りないけれど穴が空くのは絶対困るパートがこの3つのパートとバスだと思い ます。(ほかのパートが不要と言う意味ではないです。) 初めて金管バンドに触れることになった音楽家(ある程度音楽をしてきた人と 言う意味)にはテナーホーンの重要性をすぐにはなかなか理解してもらいにくい ようですが、とにかくないとまともにメロディーがつながりませんので、まとも な合奏もなかなかしにくいです。もしバンドを自分で作ろうとなった場合は一刻 も早くテナー吹きを調達するべきでしょう。調達できなければ自分がなる(^_^; テナーホーンは、コルネット・フリューゲルとバリトン・トロンボーン・ユー フォという2つの重要な音域の間にはさまる唯一の楽器ですので、吹いているう ちに音色もそれぞれの音域とスムーズにつなげやすい音色になってくるようです。 実際局の中では多くの場面でそのようなことが要求されます。それは、何と言っ てもテナーは上の音域や下の音域に比べて同じ音域はテナーだけということで圧 倒的に人数が少ないからかもしれません。テナー単独で中音域を取りまとめるよ うな曲だとその責任は相対的に大きくなり、頑張って吹いてしまいがちです。た だでさえばてやすい楽器なので、低音コルネット、フリューゲル、バリトンをう まく組み合わせてテナーを助け、テナーの心理的圧迫感を取り除くようにしまし ょう。 新しくバンドを作るときに「テナー吹きは集まるのか?」という不安が出てき ます。答えからいうとまず集まりません。自分がなるか、理解してくれて転向し てくれる人が出てこないと、テナーパートが埋まることはないでしょう。理解し てもらうにしても自分でやるにしてもテナーホーンが1台でもないとやりにくい と思いますので、新しくバンドを作るときには一刻も早くテナーを調達しましょ う。 一度テナーホーンパートが埋まると、そのパートから離れたいと思うこともな いので、一度埋まってしまうと一番固定率が高くなるかもしれません。 #それはほかでテナーを活かす機会がないから!? テナー転向者を募るのに「ブリティッシュサウンドを吹きながら一番満喫でき るところ」というと興味を持つ人が出てくるかもしれません。 #出てくるといいなあ。>うちのバンド テナーホーンのソロ曲は金管バンドのCDの中では結構多く入っていますが、 私の手元にある音源の中ではどんなものがお勧めかと言うと ・第20回定期演奏会(The Band of the Brack Cort, BlaCat USO-819) #「テナーホーンの魅力をあなたに」とそれを狙った演奏会でした。 ・Double Champions(Williams Fairey Band, Polyphonic QPRL065D) ・Cambridge Variations(The BNFL Band, Polyphonic QPRL081D) というところでしょうか。 #というか、もっとあると思っていたのに手元にはこれだけしかないです。 #"The Lark in the Clear Air"もたくさんあるのにテナーホーンでやっている #のではなくソプラノコルネットでやっているものばかりです。 #テナーホーンのソロが入ったほかの音源の情報、ありましたらコメントにつけ #てください。 ★BRASS BAND☆SAKAI Chairman & Euphonium Player★Team OS/2 Japan★ ★ 森末 吉彦(xxxxxxxx@nifty.ne.jp) From Sakai, Osaka ★