00801/00801 xxxxxxxx 森末 吉彦 【パート】ユーフォニアム ( 1) 98/07/16 01:31 00767へのコメント こんにちは。 いよいよこの部屋で一番人口が多いかもしれないユーフォニアムの番です。 ユーフォニアムのブラスバンドでの位置づけとしては、 ・バンドの顔となりうるソロ楽器 ・バスの補強 ・中低音の統率役 といったところでしょうか。自分のやっている楽器でありながら、これだと思う いい表現が見つからないですが。 ユーフォニアムの音域は広いです。下は第1倍音のB(H)(ヘ音譜表で下第 7線のBです。そのすぐ下のBb(第1倍音のオクターブ下)も出せないことは ないです。難しいですが。)から上は第12倍音Fぐらいまであります。 しかし、これは相当上手な人がいい楽器(コンペンセイティングシステムのあ るもの)で吹かないと出ません。普通の人は第2倍音のFから第8倍音のBbか 第9倍音のCぐらいまでが実用音域だと思います。 #個人的には第5倍音のDやDbの音を吹くのが楽に響いて音色もよく相当気持 #ちいいのですが、他の方はどうですか? ブラスバンドで使用される音域は下はだいたい第1倍音のBbから第8倍音の Bbぐらいまでで、ソロになると第11倍音や12倍音あたりも出てきます。最 近の曲ではコンペンセイティングシステムのついたユーフォニアムであることが 前提条件になりつつあるようです。 ユーフォニアムは2人配置され、ソロユーフォニアムと2ndユーフォニアム と区別されて呼ばれる事が多いです。しかし譜面は別の紙に分かれている訳では なく同じ物を使用します。 ユーフォニアムは楽譜上あまり音が分かれません。2人で同じ音を吹きます。 しかし、ハモっていることもありますし、全く違う動きをしていたりするなど、 分かれる時は結構自由に分かれます。強烈に大変なフレーズが長く続く時、楽譜 上で交代して吹く場所と奏者まで明確に指示が出ている時もあります。 ユーフォニアムがもっとも美しくハモるのは第4倍音から第6倍音あたりで、 これより低いとこもった感じがしたり、高過ぎると奏者に余裕がなくなって効果 をあげにくいようです。ユーフォニアムが楽に美しくハモると全体のサウンドに 深みと色彩を与える事ができます。また、バックにコーラス隊をおいたかのよう な雰囲気のサウンドも作る事ができます。 吹奏楽では円筒管ばかりなので「円錐管のユーフォニアムをハモらせるには十 分な知識と経験が必要であまりすすめられない」と書かれる事が多いですが、金 管バンドでは同属楽器ばかりで倍音構成の違いはないようなので気にせずにハモ らせて効果を出せます。 【この部分の参考曲】カンタベリーコラール(J.ヴァンデルロースト) --- ユーフォニアムは細かい音符を得意とします。変奏曲なんかでの超絶技巧とい うのが多く書かれるのもそのためでしょう。しかし同じ運指で複数の倍音を素早 く連続的に移動するのは結構苦手とする人が多いようで、仮に書いたとしても正 確に演奏してくれない可能性は非常に高いです。しかし、倍音の間隔が1音程度 に詰まってくる高音域ではリップトリルをやる事があり、全音域で苦手という事 ではないようです。運指の変化が伴うならば、信じられないような楽譜でもいと も簡単に吹いてしまう強者(オタク?)は結構あっちこっちにごろごろしていま す。 ただ、完全にソロとしてユーフォニアムの楽譜を書く場合、細かい音符が出て くる場面ではバックのバンドの音量を落としたり楽器を上手く選ばないと埋もれ てしまう可能性が大きいので注意しましょう。 【この部分の参考曲】パントマイム(P.スパーク) ドラゴンの年(P.スパーク) --- ユーフォニアムは非常に叙情的な美しい旋律を吹くのも得意とします。このよ うな場面で気を付けないといけないのはあまり高音域を多用しないことです。第 3倍音から第6倍音ぐらいで偏りなく動くように書いておくと、奏者はばてるこ となく、すばらしい演奏を聴かせてくれることでしょう。また、バックのバンド の音量も気を付けないとユーフォニアムをかき消す可能性があります。 【この部分の参考曲】祝典のための音楽(P.スパーク) ゴールデンレディ(G.リチャーズ) アイナの歌(P.スパーク) --- ユーフォニアムの音は他の楽器にくらべてよく聞こえますが、あまり聞こえま せん。(^_^;; ソロではなくバンドの中で比較的白い音符が多く並ぶようなフレーズを吹いて いるような場合はとてもよく聞こえます。細かい音符が多く並ぶようになると他 の楽器と一緒じゃないと聞こえません。 ソロの場合は、前へ出てくるのにあまり聞こえません。伴奏を上手く工夫しな いと、ユーフォニフム吹きは聞こえさせる事だけに全力を注ぎ、非音楽的なつま らない演奏をする事があります。 --- バスの補強をする時は、第3倍音辺りでバスと同じ動きをします。オクターブ や全く同じ音で吹いている時もありますし、3度、4度、5度でハモっていると きもあります。ユーフォニアムがバスの補強をしている時はたいていffでバス トロンボーンがリードして低音部のメロディを演奏しています。 --- ユーフォニアムは中低音の統率役です。それは音楽的な面も、そうでない面も 両方ともです。中低音を上手く整理して各楽器間のバランスをとることは、全体 のサウンドに大きく影響し、ユーフォニアムも楽に吹く事ができるようになるで しょう。 ★BRASS BAND☆SAKAI Chairman & Euphonium Player★Team OS/2 Japan★ ★ 森末 吉彦(xxxxxxxx@nifty.ne.jp) From Sakai, Osaka ★