00788/00788 xxxxxxxx 森末 吉彦 【パート】Bbバス ( 1) 98/07/10 03:38 00767へのコメント こんにちは。 記念すべき最初のパートはBbバスです。 金管バンドにおけるBbバスの位置づけは、言うまでもなく最低音を担当しハ ーモニーを支えることにあります。 吹奏楽やオーケストラでは(Bb管の)第2倍音のBbより低い音は普通の曲 では出てきませんが、金管バンドではその範囲も含めて出てきます。 私が見てみる限り金管バンドにおいてBbバスがよく用いられる音域は、第2 倍音のF(ペダルトーンのBbの上のF)から第5倍音のDあたりのような気が します。金管バンドにはEbバスもいるため、高音域になってくればよほどの事 情がない限りEbバスにまわるからです。逆に低い音域はとてもよく用いられま す。 しかし、使用可能な音域は大変広く、奏者の技量が一流であれば第1倍音のF ぐらいから第12倍音のFぐらいまで、もっと高い音域も比較的簡単に出ます。 Bbバスは2人配置されるため、それを意識して楽譜がわかれる事があります。 もっとも多いわかれ方は、オクターブで重ねるというものですが、吹奏楽と違っ て上へ重ねるのではなく下へ重ねます。 つまり、第2倍音Bb~第4倍音Bbあたりの動きと、第1倍音Bb~第2倍 音Bbあたりの動きでのオクターブで重ねるということです。この重ね方をする と実際の曲ではどのような効果が得られるかというと、低音のラインがしっかり して重厚さが増します。しかし、Bbバスの下の音の担当者は結構大変なので、 効果的な場所で使用すべきで、一曲通しで用いたりするのは薦められません。 【この部分の参考曲】カンタベリーコラール(J.ヴァンデルロースト) --- Bbバスは3度や5度でハモらせる事はあまりありません。この音域では音が 固まりになってあまりハモったような感覚がしないからです。しかし、意図的に 3度や5度でハモらせる事により、重たくて迫力のある音の固まりを作りインパ クトを与える事ができます。 【この部分の参考曲】オリエント急行(P.スパーク) --- Bbバスは、重くどっしりとした音色をしていますが、通常の吹きやすい音域 で細かい音符を吹くのは苦手ではありません。細かい音符を吹きやすい音域とい うのはだいたい第3倍音のFより高い音域で、この音域では4分音符=140辺 りの16分音符でも十分演奏可能です。音の粒は比較的はっきりでますが、聴衆 にはそんなに意識されません。しかし、聴衆の無意識の部分には非常に訴えるよ うで、Bbバスの細かい動きの連続を効果的に用いるとハイな心理状態を生み出 すようです。 【この部分の参考曲】ドラゴンの年(P.スパーク) --- Bbバスは、頭打ちが得意です。これはバス奏者共通の性質のようですが、頭 打ちがよく出てきて得意なだけに、裏打ちは非常に苦労するようです。 これは他の楽器よりもアタックが目立たない(鈍いという事ではない)ので、 裏打ちをさせても、はまっているのかはまっていないのかよくわからないという 事態によく陥るからだと思われます。そういうわけでBbバスに裏打ちばかりを させても苦労するだけであまり効果はありません。 しかし、決めになりうる部分において、上手く用いると、常が表打ちばかりな だけに、アクセントのような働きをして、しまりや緊張感が出せます。 【この部分の参考曲】長く白い雲のたなびく国~アオテアロア(P.スパーク) --- Bbバスにもミュートが存在し金管バンドでは他のジャンルよりも比較的よく 出てきます。ミュートを用いる事によりどのような効果が得られるかというと、 はっきりというと響きをとめるぐらいの働きしかありません。音色の変化という のは書くにはためらいがあります。しかし、このミュートは重要でppなどで低 音部の音がほしい時などではミュートはほぼ必須です。オープンで吹くと楽器の 持つ響きのために、ある限界点より音量が落ちずppの効果を出しにくいのです。 【この部分の参考曲】カンタベリーコラール(J.ヴァンデルロースト) ピッツバーグ交響曲第3楽章「山の歌」(P.スパーク) ------------------------------------ 少し難しい文章かもしれませんが、とりあえず、こんなところでしょうか。 あくまで私が見るBbバス観をもとに書かれていますので、多少偏見があるで しょう。しかし、私もBbバスは吹くので、多少の自信はありますが、このパテ ィオを読んでおられる全国のBbバス吹きの皆さん、もっとラフなスタイルで結 構ですので、反論、補足などどんどん付け足して下さい。 間違った事実があったとして反論をつけないと、これが信頼性をもって後々に 利用される可能性がありますので、苦労する事になるかもしれません。(^_^;; #と、脅してみた。(^_^) 補足で付けてくれるとありがたいのは、Bbバス吹きがもっとも充実する美味 しいと思う瞬間と、楽器を思わずやめたくなる最悪な瞬間というのは、どんな場 面かということでしょうか。これだけは本職の方に聞かないと本当のところはわ かりませんし。 ★BRASS BAND☆SAKAI Chairman & Euphonium Player★Team OS/2 Japan★ ★ 森末 吉彦(xxxxxxxx@niftyserve.or.jp) From Sakai, Osaka ★