金管バンドパティオ過去ログ#01061

01061/01061 xxxxxxxx  森末 吉彦       視覚的動きが少ない編成の宿命
( 1)   98/09/28 01:42  01057へのコメント

こんにちは。

>>>>一般的に言えば視覚的動きが少ない編成において重要だと思っています。
>> この部分 僕には、どういうことなのかわかりません。教えて下さい。

たとえば、、、、ロックバンドのコンサートを考えてみましょう。

ギター奏者があっちこっちに走り回ったり、ボーカルが踊ったり、照明や火薬を
使った仕掛け(花火)をはじめとするさまざまな視覚的演出がたくさんあるので、
視線は普通そこへ行きますよね。


たとえば、、、、オーケストラのコンサートを見てみましょう。

弦楽器の弓の動きが一糸乱れず舞台の上で展開される様子は、舞台上に大きな生
き物がうねっているような視覚的効果を生み出します。視線はふつうそのうねり
に行きますよね。


吹奏楽やブラスバンドのコンサートを見てみましょう。

舞台上で動くのは何でしょうか?
トロンボーンのスライドとパーカッション、弦バスの弓。



人間は動いているものがわずかに変化するのを見つけることよりも、静止してい
るものがわずかに変化するのを見つけることの方がふつう得意です。


ということは、動きの大きいロックバンド、動きは少ないけれど全体が統一感を
持って揺れ動くオーケストラでは多少の変化があっても聴衆は気付かないかもし
れないけれども、吹奏楽やブラスバンドではいともたやすく見つかるのです。

 そういうわけで、気の抜けた奏者は簡単に見つかります。だって吹いている時
はそこに緊張感があるのに吹き終わった瞬間に気合が抜けて緊張感がなくなると
いう変化があるのですから。



 ついでに視覚に関連して別の角度で見つめると、次の事も言えます。


 ロックバンドやオーケストラなど視覚的動きのある音楽形態・編成は、音楽を
聴覚だけでなく視覚からも訴えることができ、聴衆へのアピール力があります。

ロックコンサートで目を閉じて聴くことを考えたとき、それだけで楽しみが減る
ような気がしませんか?

オーケストラのコンサートで目を閉じて聴くことを考えたとき、それだけで楽し
みが減るような気がしませんか?

吹奏楽やブラスバンドのコンサートで目を閉じて聴くことを考えたとき、目を開
けて聴いているときと比べてなにか変化は出るでしょうか?
私の場合は目はどちらでも同じだけ楽しむことができるような気がします。


 吹奏楽やブラスバンドといった管楽合奏形態では視覚から訴えることはまずほ
とんどの場合ありません。純粋に聴覚のみから訴えかけるといってもいいでしょ
う。ロックバンドやオーケストラと同じ程度の音楽的完成度ではアピール力が弱
いのです。より強力なアピール力のある素晴らしい演奏を追求しないとつまらな
い演奏に聞こえます。


こんな事を書くと自己否定しているかもしれませんし、ほかの方の中には不快感
を抱く人がいるかもしれないということを覚悟の上であえて書きますと、

 吹奏楽やブラスバンドの奏者は自分たちの編成の特徴を認識して、ほかの形態
以上に音楽を追求しようという姿勢が一般的にあるのか?

という気持ちを私は持っています。プロであるかアマチュアであるかは関係無く、
吹奏楽やブラスバンドという音楽形態を選択した以上、いやおうなしに課せられ
る宿命だと思っています。

吹奏楽やブラスバンドというジャンルが知名度の割に興味を持たれないこと、う
ちわうけであること、センスの悪い演奏だとか思われる(思われている)原因は、
私も含めた多くの吹奏楽・ブラスバンド奏者は意識が要求レベルよりも低いから
ではないだろうかと、自分への反省も込めた上で考えています。

★BRASS BAND☆SAKAI Chairman & Euphonium Player★Team OS/2 Japan★
★   森末 吉彦(xxxxxxxx@nifty.ne.jp)  From Sakai, Osaka    ★

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