金管バンドパティオ過去ログ#00882

00882/00882 xxxxxxxx  森末 吉彦       【パート】1st,2nd バリトン
( 1)   98/08/22 01:46  00767へのコメント

こんにちは。いよいよ、バリトンパートです。

1stと2ndをまとめて書きました。

バリトンの金管バンドにおける位置付けは、
 ・ホーンセクションの一員としてブリティッシュサウンドの中核を担う。
 ・トロンボーン、ユーフォニアム、テナーホーンの三者の中間にあって、
  それらをうまくつなぐ。
というところでしょうか。

 バリトンの音域は第2倍音のEから第9倍音のCあたりまでだとおもいます。
バリトンの高音域はテナーホーンをかぶせてスムーズにテナーホーンに移行でき
るので、そんなに強力に高音域を追求されることはないようです。
 第1倍音のBbは音を出すことはできますが、ピストンが3本しかないものの
方が主流なのでその音を単独で出すぶんには大丈夫ですが、上の音域からスケー
ルなどで連続的に降りてくる場合はあまり書かないほうがいいとおもいます。

 ブラスバンドをいい音だなと思わせる原因であるホーンセクションはその音色
とハーモニーが特に重要です。バリトンはその中でも特にハーモニーのベースと
なってブリティッシュサウンドを作り出します。そのため、全体の中でも大き目
に出てきたほうが全体としては落ち着いたサウンドになるようです。

 バリトン奏者は、現在の音楽環境(吹奏楽の広まり方とその編成など)を見る
限りではそう簡単には見つからないし、ユーフォ奏者の中でもいきなりバリトン
を調達して持つことをOKしてくれる人というのもなかなかいないようです。
 しかし、バリトンぬきでブリティッシュスタイルの金管バンドのサウンドは絶
対作れない重要なパートであるため、妥当な手としてはユーフォ吹きをぼちぼち
と洗脳していってバリトンへの持ち替えを決心させることでしょうか。

 バリトンはユーフォニアムより管が細いため、ユーフォニアムより小回りがき
くと言われていますが、数少ない私が今まで吹いた感覚ではユーフォニアムとさ
して変わらないように思いました。バリトンとユーフォニアムで捉えた際のバリ
トンの意義は別のところにあるように今の私は考えています。

 それは、やはりその音色の特性だと思われます。ユーフォニアムはベルが大き
く太い管で豊かに響かせることができますが、逆に下手をすると芯がないぼやけ
たまぬけな音に聞こえることがあります。この音域でサクソルンらしい音色でし
っかりと明確な音色で聞えてほしい時、ユーフォニアムにかぶせたり、バリトン
が単独(ユーフォを伴わずに)吹く事によって、すばらしい演奏効果を発揮でき
ます。

 手元にスコアがないのでなんともいえませんが、映画「ブラス!」に使用され
ていた威風堂々の最初のメロディはテナーホーンとバリトンの音色による物では
ないかと思います。威風堂々のような美しい旋律にはテナーホーンやバリトンの
少し枯れたような音色は、ユーフォニアムの澄んだ響く音色に比べて、人の心を
つかんで素直で素朴な感動を呼ぶようで、そのような場面でも大変効果を発揮で
きます。

 バリトンはどちらかというと裏方なので、あまり目立たず、聴いていてもすぐ
には気付きませんが、名曲だと思う曲である場合、例外なくテナーホーンとバリ
トンの使い方が上手ですばらしい効果を発揮しています。
 私の手元のスコア群の中では次の曲が優れた使い方をしているので参考にして
みて下さい。

【参考曲名】カンタベリーコラール(J.ヴァンデルロースト)
      イザヤ40(R.レッドヘッド)
      祝典のための音楽(P.スパーク)

★BRASS BAND☆SAKAI Chairman & Euphonium Player★Team OS/2 Japan★
★   森末 吉彦(xxxxxxxx@nifty.ne.jp)  From Sakai, Osaka    ★

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