金管バンドパティオ過去ログ#00836

00836/00841 xxxxxxxx  森末 吉彦       【パート】バストロンボーン
( 1)   98/07/25 23:55  00767へのコメント

こんにちは。
ユーフォに続いてバストロです。

バストロンボーンのブラスバンドでの位置づけは
 ・トロンボーンセクションの一員としてサウンドにめりはりを与える。
 ・1stバスとしてEbバス・Bbバスに対しリードを取る。
がメインだと思われます。


 バストロンボーンは唯一inCのヘ音譜表で表記されます。いろいろ歴史的経
緯があるからだとか言われていますが、それだけではなく低音域のよく用いられ
るバストロンボーンではヘ音譜表の方が読みやすいからでしょう。

 バストロンボーンの出せる音域はユーフォニアムと同等かもう少し狭いです。
正確な音域はF管のほかにもG管やGb管が付いているか(2ロータリーかどう
か)などにも多少影響されますが、付いているとした場合、実用音域は第1倍音
のBbから第9倍音のCぐらいまでだろうと思われます。テナートロンボーンと
掛け持ちでやっている奏者ならもう少し高い音域での演奏可能です。逆にバスト
ロンボーン専門でずっとやってきた奏者の場合、全体的にもう少し低い音域にシ
フトします。

 ブラスバンドの多くの作品ではバストロンボーンは2ロータリーのものである
ことを前提として書かれているようです。1ロータリーのバストロンボーンでも
演奏可能なものは多いですが、演奏のしやすさなどを考慮するともしブラスバン
ドのためにバストロンボーンを調達するなら2ロータリーのものを用意した方が
いいようです。


 バストロンボーンの低音域に見られる少し割れ気味な音色は、1stトロンボ
ーン、2ndトロンボーンにも言えることですが、丸みを帯びて少しヌボッとし
たサウンドのサクソルン系の金管サウンドを引締める働きを持つことがあります。
うまいと感じるブラスバンドのトロンボーンはサクソルンとは違う明確な輪郭を
持った音色で演奏されているのです。ブラスバンドの演奏効果を高めようとした
い場合、トロンボーンセクションの音色を改善することにより目的を達成する事
も多々あるようです。

 トロンボーンは通常コルネットと向かい合う位置に座っているので、比較的に
パリパリと吹いている場面のコルネットの動きと掛け合いや対比できる動きなど
をしていたりします。このような場面でもトロンボーンは明るくすっきりとした
音色で吹く事を要求されます。しかも10人のコルネットと対等にわたり合える
音量も要求されたりもします。


 ご存じのとおりトロンボーンはスライドを使って音を変化させます。このため
細かい音符を吹くのは大変困難に「見えます」。また細かい音符の粒は他の楽器
より不明瞭になりがちであったりすることがあります。上手な奏者はスライドを
自由自在に使って細かい音符も粒をはっきりとさせて吹く事ができますが、ブラ
スバンドの場合、特にトロンボーンにこだわらなければならない理由がなければ
バリトンにそのような役割を回した方が演奏効果が得られるのではないかと思わ
れます。バストロンボーンならではの低い音域での細かい音符はバリトンにまわ
すよりもユーフォニアムやEbバスにまわした方がいい事もあります。

 バストロンボーンがEbバスやBbバスに対してリードを取る時の多くはff
などの強奏時です。これは低音の旋律に芯を加える事が目的なのでしょう。そう
いう楽譜になっている時、バストロンボーン吹きは(本能的に?)期待通りの演
奏をしてくれます。

 あとは、、、特にこれ以上思い付かないです。何か重要なことを落としている
ような気もしますが。何かあったら補足訂正して下さい。

★BRASS BAND☆SAKAI Chairman & Euphonium Player★Team OS/2 Japan★
★   森末 吉彦(xxxxxxxx@nifty.ne.jp)  From Sakai, Osaka    ★

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